第4回JMRCオールスターラリー 2009年オールスターラリー in 近畿
開催日:2009年11月28日〜29日
主 催:モアモータースポーツクラブ
場 所:滋賀県伊香郡余呉町

《 Sinさんレポート 》


オールスターラリーの観戦レポです。
競技会名はJMRCオールスターとあるが、このラリーには地区戦の上位入賞者に限らず、
各地区の参加希望する有力選手により各クラスの順位と地区対抗で争われる。
会場は持ち回りで行なわれており、
今年の会場は近畿地区となり滋賀県余呉町で開催された。

【 レッキ 】

HPによるとグラベルラリーで、エントラントリストをみても知合いや興味のある選手が何人も名を連ねている。
しかも会場が近くとなると観に行かずにはいられないが、
HPをみてもギャラリー向けの案内はなくギャラリーステージが準備される様子はなし。
ギャラリーがだめならせめてサービスパーク見学とリエゾン観戦と思っても、
サービスパーク周辺の状況によってはそれも出来ない事も考えられるので、
地の利を生かして11月23日の祝日にSSの場所も予測しながら現地視察することに。

自宅から余呉までは高速を使って1時間半ほど、北陸道木之本ICからウッディパル余呉へは15分ほど。
国道365号線を北上して余呉町役場前の交差点を右折するだけなので道に迷うこともない。


 ウッディパル余呉案内図


 総合案内所

サービスパークに使われるのはスキー場の駐車場かと予想していたので、
まずそこで様子をみると、総合案内所もありHQを置くにもちょうど良さそうな場所。
今回使われる林道は4箇所、その内3ケ所はある程度の推測はついたけど1箇所だけ特定できなかった。
そのSSに使われている地名ではこの付近なので、このスキー場の奥に続く林道かそれらしく思える。
しかしその林道を歩いてスキー場を見下ろせるところまで登ったが道路は何処までもターマックなので、
ここではないと思い引き返すことにする。


 天体望遠鏡の看板、この先がSSか?


 スキー場のリフト、天体望遠鏡はまだ先か?


 スキー場を見下ろすと天体望遠鏡は遥か下にあった。(写真右下)

駐車場まで戻って案内所でラリーについて聞いてみると、受付の人は慣れた感じで教えてくれた。
・サービスパークはこの駐車場ではなくサブセンターの駐車場であること。
・三角屋根の多目的遊技場でバーベキューパーティー(親睦会)が開催されること。
・この案内所の裏にあるコテージに選手は泊まるとのこと。
どうやらここでラリーが開催されるのは初めてではないらしい。
後で知ったことだが、やはりJAFとは無関係のチーム主催のイベントとして以前からここでは
ラリーが開催されているとのことだった。


 サービスパークとなる駐車場。


 バーベキューパーティー(親睦会)会場




 時期的には初冬ですが、秋の紅葉見頃です。

サービスパークの場所がわかったので、次はSSの場所を探しに行く事に。
最初にSS1、SS3のスタート地点に向かったが、林道入口には何台も軽トラが停車している。
何か作業が行われていて中に入れそうにないので、
次にSS1のフィニッシュとSS5のスタート地点に向かう。

そこは国道から入った所には車が駐車できそうな場所もあり、
林道も置くまで見通すことができる。
リエゾン観戦には打って付けの場所だったが、ここで間違いがないか確認するために
林道の中に入ってみる。
SSに使用される道は通行止めするので、通常は競技の1週間前には予告看板が設置されている場合が多い。
今回はそれが見当たらなかったが、道脇に打たれている杭にそれと解かるシールが張ってあり
ここがSSに使われることが確認できた。


 国道365号線を更に北上


 林道入口


 SS5コントロールエリア開始マーク


 ここがSS1のフィニッシュポイント

最後に、SS5の林道出口へも移動したがこの付近には車を止められそうな場所がない。
ここでは観戦には不向きと判断し、林道出口の手前で引き返した。
これで一通りレッキは完了したがこの時はまだ昼すぎだったので、余呉湖を一周して帰ることにした。


 奥に写っている電柱の辺りがSS5に使われる林道の出口。

この余呉湖外周の道路は一週8.3km程。
部分的に狭い場所や民家に面しているが、場所によってはギャラリーステージに使えそうな所もある。
ここをSSに使っても面白いなと思ったが、後で聞いた話では実際に使われた事もあるらしい。









【 Day0 】

この日は昼過ぎまで仕事があり、その後会場へ向かった。
現地に到着するのは4時頃、ちょうど選手もレッキも終えてサービスパークに戻ってきているころ。






 Cat’sのトレーラーを見るのも久しぶり。

今回注目するのは次の選手は
No.3中井/高橋、No.20池町/安東、No.34廣瀬/谷内、No.53竹下/五十嵐組。
中井選手とはオフィシャルとして参加した南信州ラリーでの「ブレーキローター貸して事件」が縁で注目。
事情がわからない人には申し訳ないですが、話すと長くなるので説明は省略します。
詳しくは高橋巧選手にお尋ねください。(^^;

パリダカなど海外で活躍している池町選手はこの中井選手とバリカンをかけてラリーに参戦。
廣瀬選手は2008年JN−1チャンピオン、メロンシティーでの活躍は記憶に新しいはず。
谷内選手とは07年依頼のコンビ。インプレッサでどんな走りをするのか興味のあるところ。
竹下選手は北村選手、大井選手と組んでコ・ドラとして全日本に参戦していたけど、
ドライバーとして走るのを見るのは2005年のハイランド以来なのでこれも楽しみ。
また、今年の南信州ラリーで病気から復活したNo.56室田選手も注目したいところ。
他にも全日本やラリージャパンに出場している選手が何人もいるので面白いラリーが期待できる。


 小館選手と一緒に南信州ラリーで表彰されるタイの修行僧、中井選手(右)。


 オールスターでも全日本同様、車検はあります。


 北海道地区チャンピオン竹下選手のヴィッツ。


 グラベルをこの車も走ります。








 プレスの皆さんも打ち合わせ中

現地に到着して知合いの選手を探すが、当日は寒くて風が強かったのでチーム関係者はテントの中。
テントは風除けの透明のビニールシートが張られているにいるので、外からでは誰が何処にいるのかわからない。
誰にも会えずにうろうろしていると、西山選手がこっちを見つけてテントから出てきて声をかけて頂いた。
西山選手はJN−1チャンプとして昨日JAFの表彰式に出席して東京から戻ってきたばかり。
その西山選手にも手伝っていただいたお陰で、探していた選手に挨拶を済ますことができた。
会場ではこのあと親睦会が行なわれるので、それを覗く予定だったが予想以上に夕方か冷え込み、
厚着をしていなかった自分には堪えたのでこの日はここで帰ることにした。


 日も暮れて冷えてきたサービスパーク


明日はどんなラリーになるのか楽しみです。



【 リエゾン 】


いよいよ本番当日、心配された天気は持ち堪えそうな様子。
サービスパークでは車の整備が行なわれ、ラリーらしい雰囲気になってきた。
昨日は会えなかった福永さんにも会うことができ話を聞くと、今回はサービスとしての参加だが
チームから6台が参加していてかなり忙しくなりそうなようす。
サービスの時間は20分なのでできるのはタイヤ交換ぐらいとのこと。
また、福永さんからはクリームチャウダーを頂いたが、朝の冷えるサービスでこれは有り難かった。


 中井選手のインプレッサ。このストバートのステッカーはNZラリーの時にゴミ箱から回収した本物とのこと。


 四国からはみかんランサーも参戦。


 大庭先生もサービスで参加。


 福永さんも大忙し。クリームチャウダーご馳走様でした。




 安藤選手は池町選手のコ・ドラとして近畿地区チームでの参戦。




 池町VS中井、バリカンマッチの行方は如何に。






 サービス要員として全国から人が集まってきています。


 こちらはマウンテンで松本選手のコ・ドラを務めていた石田選手。


 これは便利そうですね。




 全日本ではないのにダンロップはサービス隊を派遣。

最初の撮影ポイントとしてスタートか、SS1後のリエゾンか悩む所だったが
スタートでは特にセレモニアルはしないとのことなのでリエゾンの観戦に向かうことにする。
目的地に到着、そこで待機しているオフィシャルの人に撮影の了解をもらう。
しばらくすると0カーが到着、想像していたとおり林道の奥からいい感じでラリーカーが現れる。
ここはSSのフィニッシュポイントから近いこともあって選手も
ヘルメットを被ったままなので、写真ではSS区間かリエゾンか区別がつかない。
さらにここでは思いも寄らぬシャッターチャンスが次々と起きた。
下見の時に道が荒れているのは分かっていたが、こっちが感じた以上に荒れていたようで、
何台ものラリーカーがパンクしてここでタイヤ交換。
数えてないけど全部で10台以上がパンクしたのではないだろうか。








 No.3中井/高橋組、SS1では順調に終了。




最初にみかんランサーがタイヤ交換、続いて後続車も。でもこれは始まりに過ぎなかった。(^^;








 No.17狭間/川村組、左ハンドルなので新井選手が使っていた車か?


 No.20池町/安東組、こちらも同じくアラモの左ハンドル車。


 リエゾンなので速度が遅いため、シャッター速度を落として写しました。


 この車もここでタイヤ交換。




 男のお尻その1


 次々とパンクしたラリーカーが登場




 No.34廣瀬/谷内組、廣瀬選手も調子よく走っているように見えたけどパンク。


 男のおしりその2、その3、別に男のお尻に興味があるわけではありませんが・・・。(^^;


  カメラに気付いて手を振ってくれる選手もいます。


 No.42、保田/加藤組、中部地区の選手ですが何故か京都ナンバー。他にもこの様な組み合わせはありました。


 No.43、小倉/平山組、今年のラリホにも出ていました。


 No.48井堰/市山組、グラベルでFDですよ〜。


 No.50山岡/後藤組、時速40km程度だった思いますが、SSに見えるでしょう。




 何と、竹下選手もパンク。


 No.56、室田/宮城組



ここでの撮影も終りに差し掛かったときに、西山さんから電話が入る。
オーガナイザーとオフィシャルの手伝いとしてSSの写真を撮らせてもらえるように話ができたから、
SS3終了後にSS5のラジオポイントに入る人に着いてコースに入るので、それまでにサービスに戻ってきてとのこと。
もともとこの後、昼のサービスパークに戻る予定だったので、こんなに好都合なことはない。
西山さんに感謝です。

【 SS5 】


サービスパークでは既に何台ものラリーカーが整備の真最中。
サービスの時間は僅か20分なので作業としては車体の泥落としと
タイヤ交換ぐらいだがこの慌しさはやはりラリー。
サービスパークのすぐ脇にはSS2のタイムコントロールがあり、
SS2を終えたばかりのラリーカーがサービスパークのすぐ上の道を走るので臨場感がある。
移動しなくてもここにいるだけでもいろいろ楽しめたかもしれない。




 竹下選手もSS1のパンクの後は大したトラブルはないようす。








 サービスパークに隣接してSS2のTC。


 伊藤選手もこの車でラリホにも出場していましたね。


 池町選手はサービスを終えて次のSSへ。




 サービスは20分、出て行く車と戻ってくる車が入り混じる。










西山さんからラジオポイントまで案内していただく佐土原さんを紹介して頂き、
他の同行者のキリさんの車でラジオポイントに向かうことになった。
キリさんは見覚えがあるなと思って話をしていたら、
今年の南丹ラリーのリエゾン観戦でも顔を合わせていた。
(後でその時の写真を確認したらしっかりUPで写っていました。)
佐土原さんのEVOに誘導されて、キリさんの黒のレガシィでラジオポイントに向かう。
途中からはSSに使われた所なので轍が掘れてかなり荒れている。
時々、ガリッ、ズリッという音が響き、その度にキリさんの悲鳴が上る。
キリさんには申し訳ないけどこの時ばかりは自分の車でなくて良かったというのが正直な気持ち。


 いよいよ林道の中へ、しかしそこは・・・。




 写真では分かりにくいですが、かなり荒れています。


 SS5はSS1の逆走とSS3を繋いだロングコースで、その接続点が今回のラジオポイント。


 S字コーナーで良い撮影ポイントだけど、ここは危険ということで斜面を3m程よじ登って撮影。

SS5のラジオポイントに到着。ラジオポイントから見えるSSはS字コーナーで撮影には良い場所だったが、
コース脇での撮影は危険ということでコース脇の斜面を3mほどよじ登って
撮影する事にした。
SS5が始まり次々とラリーカーが目の前を通過していくが、
全日本戦以上に各選手の走行ラインに違いがあるなと感る。
また全体的に速度が遅く感じるのはコースが荒れているためだろうか。
そんな中、前の車を追い上げるように走り抜けていくインプレッサは34番の廣瀬選手。
やっぱり全日本JN−1チャンプは伊達じゃない。


 No.1豊田/植松組


 No.8手塚/斎藤組


 No.24大橋/荒井組


 No.28高山/広田組、全日本でもお馴染みの選手ですね。


 No.34廣瀬/谷内組、この時、全走の車をかなり追い上げていた。


 No.35小野/平尾組、「あっち!」。コ・ドラはこういう風に仕事をしています。


 No.48井堰/市川組、頑張っていますFD。
松本さん、ロータスでグラベルラリーは如何ですか?(^^;


 No.53竹下/五十嵐組

SS5が終了して引き揚げる時にアクシデントが発生した。
佐土原さんの車がわずか10m程移動しただけで突然パンク。
しかも車には工具が積んでいなかったためタイヤ交換ができない。
他のオフィシャルはすでに移動した後で残っているのはキリさんのレガシィだけだが、
レガシィの車載工具はサイズが合わず使えない。
「この先にオフィシャルのランクルがいるからレンチを借りてきて。」とキリさんに緊急指令。
先ほどまでSSコースだった道をノーマルのレガシィスペックBでオフィシャルを追いかけるが、
道は先ほど登ってきた道以上に荒れていて、
下手するとミイラ取りがミイラになりかねない状態。
轍をかわしながら慎重に進むが車の底をする音が幾度となく繰り返されて
キリさんの悲鳴があがる。
こんな道を全速で走るラリードライバーはすごい!実感です。

しかし幾ら進んでもオフィシャルの姿は見えない。
その時、目前に現れたのは何と34番の廣瀬選手の白いインプレッサの姿。
先ほど前走車をかなり追い上げていたが、
その車に突然コースを譲られておかまをしたとのこと。
SS1のパンクといい、このラリーは廣瀬選手にとってはあまりツキがなかったようだ。
廣瀬選手にここまで来た事情を話すと、オフィシャルはもっと先に行っているとのこと。
とても追いつきそうにないので廣瀬選手から十字レンチを借りて引き返すことにした。
その甲斐あってタイヤ交換は無事終了。







 無事に任務終了、キリさんご苦労様でした。車は大丈夫でした?


 10m程ゆっくりと移動しただけなのにご覧のようにザックリと・・・。

【 断髪式 】


再びサービスパークに戻る。関係者も競技を終えてくつろいで昼食タイム。
全日本と違って和気あいあいとした雰囲気がこのラリーにはある。
自分も竹下選手のブースでジンギスカン、
そのあとHQでふみ吉さんからトン汁をご馳走になり、お祭り気分を楽しんだ。
競技は終わったけどサービスパークではもう一つの勝負、
池町vs中井のバリカンデスマッチの結末が行なわれようとしていた。
SS1では中井選手がリードしたらしいが、SS4でコースアウト。
中井選手はせっかく髪が伸びていたのに、南信州ラリーの時のタイの修行僧に逆戻り。
このバリカンショーは多くのギャラリーを集め大いに盛り祭りに花を添えた。






 この後、北の大地までご帰還です。車載ではなく牽引でフェリー乗場まで行くそうですが、
やはり1台分の料金を払うのかな。


 この様な光景、以前にも何処かで見たな。


 中井選手はSS4でリタイア。(写真提供:ゆ〜さん)


引き揚げの時の様子。車が転落しないように慎重に行なわれたそうです。(画提供:畑中博さん)
イラストに画かれている人誰か判りますか? 現場の雰囲気がよく伝わります。


 バリカンを手に満面の笑みの神戸のヴィダルサスーン。






最後の仕上げは安藤選手。


 ドラとコ・ドラは一心同体ということで。高橋選手「え〜!、今回は俺のせいじゃないよ!」


 コ・ドラ同士、安藤選手の手で刈り上げられます。


 仕上げはやはりこの人、神戸のビダルサスーン、池町選手。


 沢山のギャラリーにも大うけです。


 次回にも期待します。(^^;

表彰式も終わり、全ての行事が無事終了し、選手たちも日本各地に帰っていく。
このラリー先ほども述べたように全日本とは違ったお祭りらしくい和気あいあいとしていた。
野球のオールスターゲームと同じような雰囲気がある。
またほぼ半Dayラリーのアイテナリーであったが、ここの会場はコンパクトにまとめられ、
移動も楽でSSもサービスパークも楽しむことができ、ギャラリーの点でも優れていると思った。
再びここで開催される時にはギャラリーステージも用意してほしい。
来年は東日本ブロックで開催されるので状況もまた変わると思うが、
関東のラリーファンの皆さんは足を運んで、是非この雰囲気を楽しんでほしい。


 モアラリー名物タヌキのトロフイー


 オールスターラリー歴代優勝地区名が刻まれています。


四駆部門は近畿地区が優勝


二駆部門は九州地区が優勝